法律でゴミだと定められているものを発想を転換してゴミではない、資源(原料)だと主張するのは当時ではかなり無茶な屁理屈で、今流で言えば安倍総理が憲法の解釈を変えろと言ってるようなもので問題でした。
でも五つの省庁の優秀な人たちが知恵を絞って到達したたった一つの結論なので、この新聞記事を切り抜いて関係部署の担当者を説得してまわりました。
厚生省の管轄から外れるよう、農林水産省へ特殊肥料の生産販売業者の登録をして農林水産省の管轄下で仕事が出来るようにしました。
林床の腐植層の形成には驚くほどの年月がかかります。
一般に普通の混合林では1年間に落葉する葉量は針葉樹、広葉樹、常緑樹、落葉樹ともに平均していて、落葉した葉っぱを林床に敷き詰めると2~3枚が重なる程度と言われています。
従ってその葉っぱを分解し腐植としてA層を作るには100年かかって1cmと言われています。これは主に樹木が落とす葉や小枝、花や実、それを食べる土壌動物の糞や死骸を微生物が分解して腐植層を作るのですが年月が経過すると下層部から溶けていき樹木や下草に吸収され消費されてしまうのでそんなに厚く堆積することはありません。
腐植の生産量と消費量の正確な計算値は複雑で紙面が足りませんが、樹木の移植、ポット苗の定植などの場合、初めて農耕地へ投入する場合等は概ね1㎡あたり20kgぐらいが天然の広葉樹林のA層に近い値だと試算できます。
緑化地の植栽用地造成等の場合や農地での野菜の定植の場合は表面に散布しそのまま植樹、定植して構いませんが、雨水や潅水で流亡する恐れがあるときは既存の土と軽く攪拌すると土壌が安定します。
森林の林床を覆っているA層が樹木の成長に欠かすことが出来ない「良い土壌」であることは世界中の農耕者は知っています。
だから昔は焼き畑農業や広葉樹林の開墾が盛んに行われていたし、たい肥や肥料に気づくまでは林床を利用して農耕を行い、養分を使い果たすと別の場所へ移動していたのです。
ですからA層に限りなく近づけるように作られた緑葉たい肥は全ての植物の発芽、成長に効果があります。部分的な肥料効果は化学肥料にかないませんが、大きな違いは土に生命を吹き込み生きた生態系を形成することで化成肥料では供給することが出来ない、植物にとって必要な微量要素を与えます。
土壌動物や微生物と協同して必要な時に必要な量を供給して真に健康な植物に育てるのです。効くと言うよりも植物が植物らしく普通に育つと言うことです。