日本の農家は何時からか詳しくは分かりませんが、少なくとも武家社会ができてからだと思われますが、いつもお上の言いなりになってきたみたいです。
私が知るだけでも、戦後の農政を振り返って見ると、まず、食糧増産、農業構造改善事業による農地の拡大造成、林業振興による植林事業の全国規模の展開、八郎潟干拓、有明海干拓、近代農業振興のため化学肥料と農薬の推奨、等全てお上の言う通りにやってきたことが、現在では全て裏目に出ていることです。
猫の目農政に翻弄され続けてきたのです。
ほうれん草や白菜を寒さに晒すと甘味が増すと言われていますが、これも植物の持つ凄さの一つだと思います。
真冬の凍てつく畑で霜柱が立っていても、植物たちはあれだけ多くの水分を保持しながら凍らないのは何故か?
我々が車のラジエーターにクーラントと言う凍結防止剤を入れるのは知っていますよね、植物は自ら調達出来るデンプンから出来る糖を水分に混ぜるのです。
そうして凍結するのを防いでいるのです。
ですから寒さを通り過ぎてきた野菜は少しですが甘く感じるのです。
自分が持っているもので凍結を防ぐ知能を凄いと思いませんか。
植物の凄さは数えたら、限りなく沢山ありますが我々が特にお世話になっている、葉っぱについての薀蓄(うんちく)を言わせて下さい。
葉っぱは光合成などの重要な働きの最先端で活躍していますが、その割にはあまり注目を浴びていません。
花や実は注目を集めいつも主役級です。葉っぱの凄いところをいくつか取り上げでみましょう。
葉っぱの凄いとこ[その1]
葉っぱは主役である花の開花時期を絶妙にコントロールしています。
花は将来実を結び子孫を繁栄させるために重要な役割を担っています。
葉っぱは日長や気温を感知して、主に温暖な春先に開花、結実するようにアブシシン酸と言うホルモン物質を蕾(つぼみ)に送り、制御しています。たまに、アメリカシロヒトリなどの毛虫が大発生して、葉っぱを丸坊主にされたりすると、制御出来なくなり狂い咲きしたりすることがあります。
葉っぱの凄いとこ[その2]
植物と動物の遺伝子(DNA)はそれほど違わないという事も解ってきています。植物は動けないので動物より更に凄い、高度な感覚機構をそなえています。変化する気候に順応し、害虫や病気に対応し、特に光に対する感応は動物には無い凄さを備えています。
樹木は何かの陰になった時、なんとか光を得るために成長点を変えますし、野菜は害虫に襲われるとなんとか防御方法を知らなければならない。
人間と同程度以上の視覚を備えていると言われています。
葉っぱの凄いとこ[その3]
植物は生き残るため、常に移り変わる周囲の環境に敏感でいなければならない。
光の方角、量、持続時間、色を知るために電磁波を間違いなく感知していると言われています。
人間も感知しているが、感知出来る範囲は限定されているそうです。
植物はそれよりも短い波長や長い波長も感知出来るようです。
植物に「目」は無い、人間に「葉」が無いのと同様に、と言われています。
葉っぱの凄いとこ[その4]
これから暑い季節に林の中を歩くとひんやりして、とても涼しいですね、これも葉っぱの持つ凄い機能の一つです。
涼しいだけではなく人間にとって体に良い物質を放出し気持ちを和らげてくれます。
緑のカーテンと言って真夏の熱い太陽光を遮ってくれる蔓性の植物は、カーテンやよしずよりも涼しく感じます。全て、植物の行う「蒸散作用」と言う機能の一つです。