葉を想うBlog
  • 化学肥料と農薬の押し付け2015年04月20日更新

    どこの農村でも同じことだと思われますが、私が実際に経験したことを少し述べてみます。

    30年ほど前になりますが、青森県弘前市の岩木山の山腹でりんご農家を対象に緑葉たい肥を生産販売しょうと、支店の設立準備をしていた時のことです。

    当時県内のりんご園では腐乱病と言う不治の病気が蔓延していました。

    県の農政課では腐乱病にかかった木は即刻伐採、焼却を義務付けていました。

    青森県では県の特産品であるりんごを守るため、腐乱病をはじめ3種類の病気を防ぐ農薬散布を条例で決め、違反すると罰金を課していました。そのほか年間13回の農薬散布を義務付けていました。

    しかし、りんごの病気は減りませんでした。

    それどころか、農薬散布で農薬を身体中に浴びた農民の方が原因不明の病気で体調を崩し、倒れる者が続出しました。

    あの「奇跡のりんご」で有名になった木村秋則さんのお父さんも農薬中毒で亡くなられました。

    だから木村さんは化学肥料と農薬を絶対に使わないのだと言ってました。

     

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  • 日本農業の悲劇2015年04月17日更新

    日本の農家は何時からか詳しくは分かりませんが、少なくとも武家社会ができてからだと思われますが、いつもお上の言いなりになってきたみたいです。

    私が知るだけでも、戦後の農政を振り返って見ると、まず、食糧増産、農業構造改善事業による農地の拡大造成、林業振興による植林事業の全国規模の展開、八郎潟干拓、有明海干拓、近代農業振興のため化学肥料と農薬の推奨、等全てお上の言う通りにやってきたことが、現在では全て裏目に出ていることです。

    猫の目農政に翻弄され続けてきたのです。

     

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  • 人類は遠回りしているようだ2015年04月15日更新

    葉っぱの凄さを延々と述べてきましたが、化学肥料も石油から作られているものがいくつかありますが、石油は元々植物からできたものであって、その石油からまた肥料を作るのはちょっとナンセンスだと思います。

    何億年もかけて植物から出来た石油を又肥料に作り変えるより、今ある葉っぱを肥料にする方がよほど賢いと思いますが?

    森林ではずっと昔からそうしているのですから。

     

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  • 植物の凄さばかりで飽きてきたので2015年03月19日更新

    我々も小さな畑で自分たちの創った緑葉たい肥だけで野菜を育てています。

    たい肥の材料は小枝と緑の葉っぱだけです。

    太い枝や幹は薪にして木灰を作っています。

    近所の残土屋さんから赤土を貰ってきて、緑葉たい肥と木灰を混ぜて、無肥料で育てています。

    去年の話です。

    トマトの連作もやってみました。

    昨年と変わらず良くできました。

    何よりも驚いたのは、胡瓜(キュウリ)です。

    胡瓜は必ずと言って良いほど白黴(カビ)が葉っぱにつくのでやめようかと思ったのですが、白カビは全然つかず旺盛な生育をしたことでした。

    今年は胡瓜も連作し、実験してみます。

     

    夏野菜!

  • こんなことも凄さかな?2015年03月05日更新

    ほうれん草や白菜を寒さに晒すと甘味が増すと言われていますが、これも植物の持つ凄さの一つだと思います。

    真冬の凍てつく畑で霜柱が立っていても、植物たちはあれだけ多くの水分を保持しながら凍らないのは何故か?

    我々が車のラジエーターにクーラントと言う凍結防止剤を入れるのは知っていますよね、植物は自ら調達出来るデンプンから出来る糖を水分に混ぜるのです。

    そうして凍結するのを防いでいるのです。

    ですから寒さを通り過ぎてきた野菜は少しですが甘く感じるのです。

    自分が持っているもので凍結を防ぐ知能を凄いと思いませんか。

     

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  • ついでにもう一つ2015年03月05日更新

    伊賀山中に住む巨木の造形家ふじい忠一さんの話を転載します。木彫の世界を進みますが、木と言う素材に古臭さを感じて樹脂や金属など現代の素材に転じました。

    しかし、自分の思い描いた通りにしかならない虚しい世界だった。

    行き迷った30代初め、初冬の信州に行った。

    松本から木曽に向かい、夜の山中で道に迷った。

    冷え切った体で太い檜の幹に抱きつくと、暖かった。

    起きろ、と言う母の声を聞いて、気がつくと夜が明け、自分は木に抱きついたまま生きていた。

    樹木は涼しいだけではなく、暖かくもしてくれる。自在に調整出来る凄さも持ち合わせているのです。

     

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  • 葉っぱの機能2015年02月23日更新

    植物の凄さは数えたら、限りなく沢山ありますが我々が特にお世話になっている、葉っぱについての薀蓄(うんちく)を言わせて下さい。

    葉っぱは光合成などの重要な働きの最先端で活躍していますが、その割にはあまり注目を浴びていません。

    花や実は注目を集めいつも主役級です。葉っぱの凄いところをいくつか取り上げでみましょう。

     

    葉っぱの凄いとこ[その1]

    葉っぱは主役である花の開花時期を絶妙にコントロールしています。

    花は将来実を結び子孫を繁栄させるために重要な役割を担っています。

    葉っぱは日長や気温を感知して、主に温暖な春先に開花、結実するようにアブシシン酸と言うホルモン物質を蕾(つぼみ)に送り、制御しています。たまに、アメリカシロヒトリなどの毛虫が大発生して、葉っぱを丸坊主にされたりすると、制御出来なくなり狂い咲きしたりすることがあります。

    葉っぱの凄いとこ[その2]

    植物と動物の遺伝子(DNA)はそれほど違わないという事も解ってきています。植物は動けないので動物より更に凄い、高度な感覚機構をそなえています。変化する気候に順応し、害虫や病気に対応し、特に光に対する感応は動物には無い凄さを備えています。

    樹木は何かの陰になった時、なんとか光を得るために成長点を変えますし、野菜は害虫に襲われるとなんとか防御方法を知らなければならない。

    人間と同程度以上の視覚を備えていると言われています。

    葉っぱの凄いとこ[その3]

    植物は生き残るため、常に移り変わる周囲の環境に敏感でいなければならない。

    光の方角、量、持続時間、色を知るために電磁波を間違いなく感知していると言われています。

    人間も感知しているが、感知出来る範囲は限定されているそうです。

    植物はそれよりも短い波長や長い波長も感知出来るようです。

    植物に「目」は無い、人間に「葉」が無いのと同様に、と言われています。

    葉っぱの凄いとこ[その4]

    これから暑い季節に林の中を歩くとひんやりして、とても涼しいですね、これも葉っぱの持つ凄い機能の一つです。

    涼しいだけではなく人間にとって体に良い物質を放出し気持ちを和らげてくれます。

    緑のカーテンと言って真夏の熱い太陽光を遮ってくれる蔓性の植物は、カーテンやよしずよりも涼しく感じます。全て、植物の行う「蒸散作用」と言う機能の一つです。

     

  • 植物の機能その22015年02月16日更新

    栄養学的に言うと、植物も動物もブドウ糖やデンプンだけでは身体を構成する器が作れません。

    タンパク質や脂肪やビタミンなども必要です。 人間は肉等を食べてアミノ酸を作り、そこからタンパク質を組み立てるのですが、植物は肉など食べなくても微生物などによって無機化されたチッソを根から吸収し、それを原料にして自らタンパク質を創ります。

    植物は成長のためにも健康に生きていくためにも必要な脂肪やビタミンも自分で創ります。

    だから、口も歯もいらないし、胃袋や内臓も微生物たちに代行してもらっているのです。

    実に、合理的で利他的で共存共栄の見本ですね。

     

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  • 植物の機能、能力、知能2015年02月12日更新

    植物の機能については、ほとんど解って無いと言った方が正しいかも知れません。

    動物たちが動き回ってエネルギー確保のため食物を探しているのに比べ、植物は動かなくても、根から吸った水と空気中の二酸化炭素を材料にして、太陽の光を利用して、葉っぱでブドウ糖やデンプンを創っているのです。

    これが生命を維持して成長していく為のエネルギー源なのです。

    究極の自給自足システムです。

    人間よりはるかに進んでいますよね。

     

    森

  • 植物からの恩恵2015年01月28日更新

    数億年をかけて人類やその他の動物が生活出来るように基盤を整えてくれた植物たちは、更に人類を生かし、人間を癒し、いつも人々と共にあって守ってくれてきました。

    それなのに、人間の都合や飽くなき欲望のために伐り開き、利用するだけで、感謝するどころか有って当たり前、ややもすれば邪魔者扱いのような状態です。

    それでも、文句一つ言わず許してくれているのは、「許すとは、許し得ないものを無条件で許すことだ」と言った哲学者と同じレベルの知能を植物は持っているのか?

    解りません。

     

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