解り易い例で言えば、第2次世界大戦後日本は食糧が極端に不足しました。
当時の親たちは子供に食べさせる食糧を得る為に大変な苦労をしました。
その時代に育ち盛りだった子供達は本当に空腹で食べ物の大切さと、食糧を与えてくれる親に心底感謝していました。
だから、米粒ひとつ残さず、親の言う事は良く聞きました。
しかし、僅か数十年しか経っていない現在では食べきれないほどの食べ物が溢れ、親の有り難さは薄れ、コンビニと冷蔵庫さえあれば食べることには苦労しない時代になると、当時のひもじい想いはなんだったのか、このように生まれた時から食糧が豊富にあると、食べ物なんてどうにでもなる、もっと大事なことがあるだろう、とDNAに刻み込まれない経験は一世代か二世代で忘れ去られるのです。
丁度人類が発生した時に酸素が豊富に有った時のように。利己主義的DNAが人類に刻み込まれたのです。
土壌動物や微生物がDNAに従って自らの生存と繁殖のために何億年も黙々と続けてきた酸素を創ってくれる植物を育ててきた途中から、地上にはいろいろな動物が発生してきました。
わずか数万年前に人類の祖先も出現し、進化を遂げて現在の人間が存在しているのですが、出現した時には既に食べ物や酸素は用意されていました。
ですから人類は酸素を作ったり、炭酸ガスを処理したりしなくても生存することや繁殖することが出来たのです。
今更言うまでもない事ですが、一部の嫌気性菌を省いて、全ての生き物は酸素が必要です。今の化学では酸素は簡単に作れます。
しかし、酸素を吸入すると同時に炭酸ガスを排出しなければなりません。
この炭酸ガスの処理が厄介なのです。
丁度、原発の核燃料廃棄物や汚染水の処理が難しいように。
ところが木の葉は太陽の恩恵を受けていとも簡単に炭酸ガスを処理し、同時に酸素を供給してくれるのです。
地中の生物も地上の生物も全て創造主から与えられたDNA、即ち生きることと種属の繁栄のため、最も重要な食糧を確保する為に、一生懸命に食べたり、食べられたりしながら植物を育てているのです。
特に大切な木の葉を育てる為に、全精力と一生をかけて、なぜなら木の葉以外に生物が生きていくのに最も重要な酸素を創ってくれるものは他に何も無いからです
前述のようにそれぞれの土壌中では微生物が有機物の分解者として重要な役割を果たしています。
そして、土壌中における有機物分解は単独な生物群だけで行われているのではなく、動物と微生物の密接な協力、即ち食物連鎖によって成立しているのです。
ミミズやヤスデ、シロアリなどは年間大量の植物遺体を食べますが、それが腸管を通過する時、多数の細菌が繁殖することが知られています。
これらの動物は細菌に快適な棲家を与え、よく噛み砕かれ、湿らされた食物を定期的に与えています。
又、動物は地表に落下してくる植物遺体を土中深く運び入れ、微生物と植物遺体との接触を容易にしたりします。
土壌生物は動植物の遺体や腐植を分解し、有機物を無機化して植物の再生産を支えています。
そのなかでも微生物の有機物分解能力は極めて大きく、林地の場合は特に糸状菌を中心とする微生物群によって有機物の全分解量中の83%が消費されていることが解っています。
耕地土壌の場合は糸状菌のかわりに細菌や放線菌が増えてきます。
これも食物連鎖の一因で林地の場合は粗大な有機物が多く、耕地の場合は微小な有機物が多いことから理解できます。